こんにちは代表の一木です。先月頭に東京ビックサイトにて、堀部先生のお話しを聞く機会がありました。「量から質の時代へ」というテーマでお話を頂きましたが、私自身色々と考えさせられました。
それぞれの空間の役割
早速ですが、話の中で数字が出てきました。「90」「60」「30」それぞれ、完成された空間の一つの指標みたいなものですが、
〇「90」安定した快適な家(高気密高断熱空間)
〇「60」昭和の断熱性の低い家
〇「30」不安定な快適エリア(半外)

上記3つの空間はそれぞれ数字が高いほど性能が高い(私の勝手な解釈)とされていたようですが、その数字の使い分けがより一層私の中で色々と整理ができました。
私の実家は築150年超の古民家ですが、隙間だらけで、冬は寒い。またエアコンが無い。そのような空間でも、快適ではないが、なぜか居心地の良さを感じてしまいます。その中には、幼い頃から住んでいた、実家の匂い、慣れ親しんだ空間、その窓から見える景色、古いからこそ残されている囲炉裏の煙で燻された真っ黒の柱や梁が見える状態で存在していて、見える物、匂い、肌触り、が居心地の良さを感じる一つの理由なのでしょうか。
連休には兄弟が集まり、よくBBQを行います。その中で、毎回美味しい物をなぜわざわざ外で食べるのでしょうか。普段と違う場所、外の換気をされた空気の中で食べることが本能的に美味しいと感じる。でもそれは、状況によっては度合いが違い、天気の違い、季節の違いでも感じ方は様々です。個人的には真冬の時期に、屋外で暖を取りながら食べる食事も結構好きです。

とは言っても、常に屋外で生活ができるかというと、そうゆうものでもなく断熱、耐震に優れた今の住まいに戻れるという「安心感」があるからこそ、一時的に外で過ごす時間が良い時間をつくってくれるということです。
今の時代に必要な30エリア
今の住まいは、断熱、耐震レベルも高く安心面、快適性については何一つ問題はありません。ただし、断熱性、意匠性を求めるあまり、外の開けた方向に窓を取らない住まいも多いのではないでしょうか。当然街なかの隣地も住宅に囲まれた場所だと、なかなかそのような空間をつくりにくいかもしれませんが、やはり自然との繋がりが無い住まいには、個々の趣向にもよると思いますが、魅力を感じにくいかもしれません。だからこそ、外に繋がる為の土間スペース、屋根のある縁側、外の空気を感じられる場所なんかは本能的に心地よい暮らしを求めるのであれば、必要不可欠な場所だと思います。

ただ、屋根のある場所でも子供たちはのびのびと遊び、親は少し安心できる。家のなかでは発散できない子供の遊びは屋外だからこそ発揮できる事も沢山あります。そんな時に中間領域~庭というのは、子育ての中でもとても大事な空間だということ。

先日の内覧会では、モデルハウスの土間でピチャピチャしながらお子様も楽しく遊んでいました。
そのような空間があることで、暮らしの楽しみが増え、寛容な心も育ち、住まいで様々な経験ができます。それが家族の時間も生み出し、思い出も沢山刻まれるのではないでしょうか。そんな住まいをより一層提供してきたいと感じた堀部先生の講演でした。
そんな話を聞いていたら、色々な建物を見たくなり、江戸東京たてもの園に弾丸で行ってきました。この話もこの延長で書きたいと思いましたが、また次回にします。
代表取締役 一木 伸太郎