床柱(とこばしら)とは
和室の床の間に他の柱とは形状や色合いが異なる特徴的な柱を見たことはございますでしょうか。これは『床柱(とこばしら)』と言いまして、床の間と床脇の境に立つ『見せるための柱』で建物を構造的に支えることを主目的にした柱ではございません。床の間は、掛け軸や生け花などを飾る日本家屋の『鑑賞スペース』で床柱はその一角を構成する最も象徴的な部材とされています。
床の間のある側が『上座』とされ、客人をもてなす特別な場所ともなりますので、床柱はその上座の象徴で『ここが一番よい場所』という目印にもなり礼儀作法や座る位置の基準にもなってきました。
格式を示す柱となるため、見た目の美しさや希少性を重視した『名木』がよく使われてきました。代表的な床柱の種類として『絞り丸太』『磨き丸太』『錆丸太』『面皮柱』『変木』などがありますが、先日お引渡しをしましたお家では『人黒前彫床柱』を使用しましたので紹介したいと思います。
人黒前彫床柱



『人黒(じんぐろ)』という黒い木目調で正面に彫刻を施した柱です。文字通り人工的に着色や木目の加工を施した黒檀調の柱です。黒味が強く、落ちついた色合いが和室の厳かな雰囲気を際立たせます。床柱の選び方により和室全体の雰囲気も変わります。たった1本でも存在感を放つのが床柱です。
昨今の新築住宅では和室自体が少なくなってきており、かつ本格的な和室というようりは床柱を立てないモダンな雰囲気の和室も増えましたので床柱を見る機会が少なくなりました。『和室らしさ』『格式』『伝統文化』を感じさせる象徴となる床柱は歴史と魅力が詰まった素敵な柱です。
春日井営業所 工務