こんにちは、代表の一木です。住まいを計画する際に当然ながら「窓」は設置されますが、大きさ、開き方、なんとなく付けていませんか?本当にその窓が必要なのか、役割を改めて考えた事はありますか?そんなの当然、「風通し」「光が」必要だから「外観のアクセントに」等お考えもあるかと思います。当然必要かもしれませんが、窓の機能を整理しながら「窓」をどのように設置するべきか、今後の計画に役立てて頂ければと思います。
【窓の機能】
1. 断熱・気密性能
窓は外気と室内を隔てる重要なポイントです。
- 高断熱ガラス(Low-Eガラスなど)を使用することで、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を維持できます。
- 気密性の高い窓枠や二重窓は、エネルギー効率を向上させ、冷暖房費の削減に寄与します。
- 西・東面は遮熱ガラスを設置し、強い日差しをカットします。
2. 採光と眺望
窓は自然光を取り入れ、居住空間を明るくします。
- 適切な窓の配置により、日中の照明利用を減らし、快適で省エネな環境を作れます。
- 大きな窓やピクチャーウィンドウは、外の景色を室内に取り込み、心理的な癒しを与えます。
3. 通風・換気性能
自然な風の流れを生み出すことで、空気の循環を促進します。
- 縦すべり出し窓は風を取り込むウインドウキャッチ効果があり、効果的な換気を可能にし、空気質の向上に役立ちます。
- 換気システムとの併用で、湿気や有害物質を排除し、健康的な室内環境を保ちます。
4. 遮音性能
外部の騒音を遮断する窓は、静かな居住環境を提供します。
- 複層ガラスや内窓等気密性の高い窓は、特に都市部や交通量の多いエリアで効果を発揮します。また、自宅で音楽教室等、内側の音を外に漏らさないようにする場合も効果的です。
5. 安全性と防犯性能
住まいの安全にも関与します。
- ガラスや防犯フィルムを使用することで、不正侵入のリスクを軽減します。
- 防犯センサー付き窓は、異常時に通知を送る機能もあります。
6. デザインと美観
窓は外観とインテリアに大きな影響を与えます。
- フレームの色や素材を工夫することで、建物全体のデザイン性を高めることができます。
- 窓の形状や配置は、空間の印象を大きく変えます。
窓には上記のような機能がありますが、特に最近はトイレや浴室の窓について設置するかどうか悩まれる方も多い為、水回りと、居室の窓について、どのように考えるべきかお伝えさせて頂きます。
【空間毎の窓の考え方】
1. 水回りの窓配置(浴室、トイレ、洗面所)
浴室・トイレ・洗面所のは換気扇が設置されますので、窓で換気をする必要性が無くなります。当然窓を付ける事で、より換気効果は高まりますが、窓を開けた状態で外出するなど、防犯上心配な点も出てきます。そうすると、結果1日中窓を開けなくなり、開けない窓になってしまいます。また、水回りに窓を設置しようと思うと、浴室・トイレ・洗面と小さい窓が連続する形になります。外観上気にならない面であれば問題ないのですが、建物の正面であれば、設置する高さ、大きさ等が外観に影響してきます。もし、窓を設置するのであれば、「明り取り」としての設置をおすすめします。お風呂を掃除するタイミング等、日中明るいうちに行う場合は、窓の機能が発揮されます。
住宅も高性能化している為、換気は換気扇、窓は明かり採り等と役割を明確に分けることで、後々の生活でお掃除が楽になり、設置コストも抑えられるというメリットもあります。当然、家を建てる環境や、お客様のライフスタイルによって考え方も変わってきますので、新しい暮らしをイメージしながら、下記の点等も配慮して計画をしてみてください。
2. 生活空間の窓配置(リビング、ダイニング、寝室、子供部屋)
リビング・ダイニングには、家族皆が揃って時間を過ごしたり、友人、子供が遊びに来たり、くつろいだりと、様々な用途に利用される空間です。日中でも自然光や景色を取り入れ、外との繋がりを設けることで、空間の広がりを感じられたり、照明を使わず自然光で過ごすこともできます。だからこそ、フレームが気にならない大きな窓を設置し、庭との繋がりや、プライバシーを確保した上で、周辺の景色を臨み、四季を感じることで、日々の暮らしに豊かさを感じることができます。中間期は窓を開ける事で、心地よい風が入ってくる等のメリットにも繋がります。当然、間取り、方角、空間の考え方によっても、窓の取り方は大きく左右されますので、どのような意図でその窓を設置するのか、改めて窓の役割を考えられると良いのではないでしょうか。
【窓を設置する・しない場合のメリットと環境】
1. 窓を設置する場合の理由
メリット
- 自然換気による湿気対策
窓を開けることで湿気やカビの発生を防ぎ、特に浴室は乾燥しやすくなります。 - 自然採光の確保
昼間は照明を使わずに済むため、省エネにつながります。心地よい自然光がリラックス効果をもたらします。 - 空気の入れ替えがしやすい
特にトイレでは匂いを素早く外に排出でき、換気扇との併用で効果が高まります。
こんな場合に選ばれる
- 自然環境が良い場所にある住宅(郊外や田舎)。
- 湿気が多い地域や、風通しの良さを重視する場合。
- 家全体のエネルギー効率よりも、通風や自然の光を重視したい住まい手。
2. 窓を設置しない場合の理由
メリット
- 気密・断熱性能の向上
窓を設けないことで断熱性能が高まり、冷暖房効率が上がります。省エネ性能が高くなるため、高性能住宅にも適しています。 - デザインの自由度が高まる
外観のデザインをシンプルに保ちやすく、内装の配置にも柔軟性があります。収納や棚の設置スペースが増えます。 - プライバシーと防犯性の向上
窓がないことで外部からの視線や侵入リスクが減ります。防犯の観点で安心感が得られます。
こんな場合に選ばれる
- 都市部や集合住宅など、隣家や外部からの視線を避けたい環境。
- 最新の機械換気システム(24時間換気)を導入している場合。
- エネルギー効率を重視し、気密性を高めたい場合。
窓について長々と書かせて頂きましたが、上記の事を考えながら、より良い家づくりができるように参考にしてみてください。