「木の家って、雰囲気はいいけど冬は寒いんでしょ?」
自然素材の家づくりをしていると、時々こんな質問をいただきます。
無垢の床や漆喰の壁など、自然素材には魅力がたくさんありますが、一方で「寒そう」というイメージを持たれている方も少なくありません。
しかし実際には、自然素材の家が寒いかどうかは素材そのものではなく、断熱と気密の設計によって決まります。
実は私自身、そのことを身をもって体験した出来事があります。
それは、**「冬が地獄だった実家」**の話です。
なぜ「自然素材の家=寒い」と言われるのか
自然素材の家が寒いと言われる理由は、昔の木造住宅のイメージが影響していることが多いです。
かつての住宅は
・断熱材がほとんど入っていない
・窓の性能が低い
・隙間風が多い
といった状態の家が一般的でした。
そのため「木の家=寒い」という印象が残っているのです。
しかし実体験から断言できるのは、
寒さの原因は「素材」ではなく「家の仕組み(断熱・気密)」にあるということです。
実録:冬が地獄だった実家

実は私の実家は、20年以上も冬になると「外と同じくらい寒い」状態でした。
理由は、自然素材ではなく断熱材の問題だと思っていました。
実家は無垢材と漆喰にこだわった自然素材の家です。
窓も多く、当時としてはペアガラスを採用するなど寒さ対策も考えて建てられていました。
しかし、床上浸水の被害によって状況が一変します。
汚水が染み込んだことで、床下の断熱材と壁の一部の断熱材を撤去することになったのです。
すると、家の中の環境は大きく変わりました。
冬になると床下から冷気が直接伝わり、家の中は外と変わらないほど寒くなってしまいました。
断熱材がなくなると何が起こるのか
無垢材そのものは熱伝導率が低く、触れてもヒヤッとしにくい素材です。
しかし、その裏側にある断熱材という「バリア」がなくなると、その性能を活かすことができません。
床下に断熱材がない状態では、冬の冷たい外気が床板のすぐ裏側まで入り込みます。
その結果
・床全体が冷える
・暖房の熱が奪われる
・室内の温度が上がらない
という状態になってしまいます。
また、当時の建築基準は現在の高気密・高断熱住宅に比べて、木材の収縮や建物のわずかな傾きが隙間風として現れやすい構造です。そのため、築年数が経つことで木材が乾燥・収縮し、窓枠や建具が歪んで隙間が生じることによる隙間風もありました。さらに窓のパッキンは劣化して硬化・収縮し、気密性が低下していました。
断熱材がなくなったこと、経年劣化が進んでいたこと、という複数の原因が積み重なってできた状態です。
窓が原因になる「コールドドラフト」
もう一つの原因は窓です。(最大原因)
窓は住宅の中で最も熱が逃げやすい場所で、
冬の暖房熱の約50%以上が窓から逃げると言われています。
冷えた窓の表面で空気が冷やされると、重くなって床へ流れ落ちます。
これを
コールドドラフト(冷気の下降気流)
と呼びます。
この現象が起きると、足元に冷たい空気が溜まり「底冷え」の原因になります。

内窓で起きた劇的な変化
そんな極寒生活が続いていましたが、昨年「先進的窓リノベ事業」の補助金を利用してリビングと浴室に内窓を設置しました。
すると驚くことが起きました。
窓からの冷気を防いだだけで、部屋全体が暖められたように感じるようになったのです。
床下に断熱材が入っていないにも関わらず、底冷えが大きく改善したのです。
これは内窓によって「コールドドラフト現象」が改善されたためだと思われます。
暖房で暖められた空気は、冷たい窓に触れると冷やされて足元に流れ込みます。
これが、冬の「足元の寒さ」の大きな原因です。
窓の断熱性能が上がると、この冷たい下降気流が発生しにくくなり、結果として部屋全体が暖かく感じられるようになります。
さらに、内窓によって気密性が高まり、暖房の熱が逃げにくくなったことも大きな要因でしょう。
・窓の断熱性能が向上
・隙間風が減少
・コールドドラフトが減少
したことで、暖房の熱が逃げにくくなりました。
その結果、室内に暖かい空気の層が保たれるようになったのです。

右:内窓設置の様子
※既存窓はアルミサッシであったため、これが冷気を運ぶ「熱の穴」になっていました。内窓のフレームには、アルミに比べて約1,000倍熱を伝えにくい「樹脂」が使用されています。そして内窓と外窓の間に生まれる「空気の層」が、魔法瓶のような断熱効果を発揮します。空気は熱を伝えにくい性質(熱伝導率が低い)があるため、室内の暖かい空気が外へ逃げるのを防ぎ、外の冷気を中に入れない、強力なバリアになります。また、アルミサッシの部分は断熱材が失われてから結露がひどくなっていました。内窓によって、外気との温度差を緩和するため、結露の発生を大幅に抑えられました。
結露でカビが発生するリスクを抑えられつつ、加湿器の水分を効率よく空気中に保てるようになり、実際の室温以上に暖かく感じます。
実家は窓がとにかく多い家でしたので、特に効果も大きかったと思います。家の中心にあるリビングの北面以外3面にある窓や、浴室にある大きな窓に内窓を設置したおかげで、家じゅうに流れていた冷気をほぼ感じなくなりました。
寒さを決めるのは「素材」ではなく「設計」
この経験から私が強く感じたのは、
家の寒さは「素材」ではなく「断熱と気密の設計」で決まる
ということでした。
どんなに良い自然素材を使っていても、断熱や気密が不十分では快適な家にはなりません。
本当に大切なのは断熱と気密のバランス
最近の住宅では
・UA値(断熱性能)
・C値(気密性能)
といった数値が注目されています。
もちろんこれらは大切ですが、数値だけを追い求める家づくりには注意も必要です。
住宅は
・断熱
・気密
・換気
・素材
がバランスよく設計されてこそ快適になります。
たとえば、気密性能だけを極端に高めても、換気や素材との相性が悪ければ住み心地は必ずしも良くなりません。
私たちが大切にしているのは、
「数値」だけではなく、実際の暮らしの快適さです。
愛知の冬は「底冷え」が特徴
愛知県の冬は、北海道のような厳しい寒さではありませんが、
・放射冷却
・乾燥した冷たい空気
・窓からの冷気
などによって、室内でも底冷えを感じやすい地域です。
建築後の特に多い後悔は、
・床が冷たい
・暖房をつけても足元が寒い
・朝起きると部屋が冷え切っている
といった声です。
この問題の多くは、断熱材の性能や施工方法によって改善することができます。
自然素材と高断熱を両立するセルロースファイバー
私たちは断熱材としてセルロースファイバーを採用しています。
セルロースファイバーは木質繊維から作られた自然系断熱材で
・断熱性能
・調湿性能
・防音性能
に優れた素材です。

特に愛知のように湿度差のある地域では、湿気を調整してくれる性質が住み心地の向上に役立ちます。
また、細かい繊維を隙間なく施工できるため、気密性も確保しやすく、
自然素材の心地よさを活かしながら、住宅の断熱性能を高めることができます。
数値では測れない「住み心地」
住宅の性能は数値でも表すことができます。
しかし、実際の暮らしの快適さはそれだけでは測れません。
自然素材の家には
・空気のやわらかさ
・湿度の安定
・木のぬくもり
といった、数字では表せない心地よさがあります。
私たちは性能だけを追い求めるのではなく、
「長く気持ちよく暮らせる家」
を大切にした家づくりをしています。

※関連記事:【春日井市】自然素材の注文住宅なら丸共建設
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現在、自然素材の家づくりをテーマにした相談会を開催しています。
相談会では
・愛知の気候に合った断熱設計
・セルロースファイバーの特徴
・自然素材と高性能住宅の考え方
などを実例を交えてお話ししています。
「自然素材の家は寒いのでは?」
「性能と住み心地は両立できるの?」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
家づくりで後悔しないためのヒントをお伝えできればと思います。
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