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何かと話題の太陽電池 ― 最新技術と補助金制度

2025.10.02

ペロブスカイト太陽電池、2025年に“実用化フェーズ”へ ― 注目の技術と補助金制度

こんにちは🌞 愛知・岐阜で注文住宅とリフォームを行う工務店【丸共建設株式会社】の広報スタッフです。

広大な土地に設置されるメガソーラーの自然に与える影響や、東京都の太陽光パネルが設置義務化など、何かと話題の太陽電池。今回は注目の新技術「ペロブスカイト太陽電池」に関する情報をお伝えします。

現在最も普及している太陽電池は、シリコン太陽電池です。シリコン太陽電池以外の様々なタイプの太陽電池が開発されていますが、特にペロブスカイト太陽電池は、各国で事業化を目指す動きが見られる等、社会実装が近い次世代型太陽電池として期待されています。

ペロブスカイト太陽電池とは何か?

近年、大きな注目を集めるペロブスカイト太陽電池は、国内研究者が開発した日本発の技術で「ペロブスカイト」と呼ばれる結晶構造を持つ薄型太陽電池です。

ペロブスカイト太陽電池は開発の歴史が比較的浅いにもかかわらず、高い変換効率が得られる点が特徴です。シリコン系よりも、材料の配置や層構造の組み合わせによって性能が大きく変化するため、研究者の間で様々な組成が検討されています。また、柔軟なフィルム上への形成も可能なことから、将来的には軽量で設置しやすい太陽電池として活用が見込まれています。

既存のシリコン太陽電池の特徴

次世代のペロブスカイト太陽電池の特徴

ただし、耐久性(特に湿気・熱・紫外線による劣化)や長期安定性、製造のコスト・規模拡大などにはまだ技術的ハードルがあります。

「G7広島サミット2023」会場にて展示されたフィルム型ペロブスカイト太陽電池
(出典)「G7広島サミット2023」会場にてフィルム型ペロブスカイト太陽電池を展示 | 積水化学工業株式会社
ビルファサードに導入した空間のイメージ
バルコニー・手すりに導入した空間のイメージ
(出典)ガラス型ペロブスカイト太陽電池の可能性を追求したプロトタイプを大阪・関西万博パナソニックグループパビリオンに展示 | ブランド | 企業・経営 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan : パナソニック ニュースルーム ジャパン
ペロブスカイト太陽電池のイメージおよび用途(出典:経産省

実用化の進捗と見込まれる用途

日本では、国が「2040年までに20GW(ギガワット)導入を目指す」方針です。経済産業省は2024年11月に、ペロブスカイト太陽電池の普及に関して「次世代太陽電池戦略」を公表しました。(出典:経済産業省「次世代型太陽電池戦略」

  • 2040年までに、国内約20GW、海外500GW以上の導入を見込んでいる。
  • 2040年時点での価格は、10円/kWh~14円/kWh(電力使用量1kWh(キロワットアワー)あたりの電気料金)を目指している。

2024~2025年あたりから「少量商用化」「実証実験」「社会実装モデル」の創出が進んでおり、2025年度中に一部の用途で実用フェーズに入る見込みです。

例えば、建築物壁面への設置や、従来設置が難しかった曲面・軽量構造物への導入が期待されています。タンデム型(既存のシリコンパネルの上にペロブスカイト層を重ねる方式)も、効率アップなどで注目されています。

ペロブスカイト太陽電池のイメージおよび用途(出典:経産省

補助金・支援制度の概要

実用化を促進するため、国や自治体で以下のような補助金制度が始まっています。

制度名内容対象・条件公募期間・補助率
ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業(環境省)コスト低減や普及を見据えたモデル事業を支援フィルム型で、設置場所・耐荷重・発電容量・自家消費率等の要件あり公募は2025年9~10月まで
太陽光発電設備等の価格低減促進事業(環境省)上記モデル事業と併せ、蓄電池などの導入を含めて支援する事業単独の申請は不可。モデル事業とセットで募集されることが多い同じく2025年秋の応募期間内
県・自治体レベルの助成・連携実証
実証や普及啓発、自治体+企業による協定のもと、建築物への導入などを試す取組あり
例)神奈川県-ペロブスカイト太陽電池の普及 – 神奈川県ホームページ
   愛知県-ペロブスカイト太陽電池普及拡大プロジェクト – 愛知県

環境省などでペロブスカイトの社会実装モデル向け補助が公募されるなど、導入支援の枠組みが整備されています(公募・要件は年度により変動)。自治体レベルの助成もあるため、補助対象や補助率(事業によっては高い補助率が出るケースあり)を事前確認することが重要です。

導入を検討する際のチェックリスト

  1. メーカーの耐久性(公表寿命・保証)を確認する。
  2. 設置場所別の発電密度(W/m²)と必要面積を見積もる。
  3. 補助金の公募要件(設置容量・自家消費率など)を確認。

    注意点・今後の展望

    • 耐久性・寿命:現段階では短期間の実験や小面積モジュールで良い効率が出ていても、屋外で長期間使うモジュールとしての耐久性を確保する必要があります。
    • コスト削減・量産化:製造・設置・運搬・メンテナンスを含めたトータルコストをどこまで落とせるかが鍵。小規模モデルから本格普及フェーズへ移行するには、安定した材料・製造プロセス・サプライチェーンが必要です。
    • 制度の活用タイミング:補助金の公募期間が限られており、要件をきちんと確認しないと対象外になる可能性があるので注意が必要です。特に「設置容量」「設置場所」「需要側での自家消費率」など細かな条件があることが多いです。

    今“検討する価値”は十分

    次世代の薄膜型「ペロブスカイト太陽電池」は、軽くて薄いフィルム状にできるため、屋根だけでなく外壁やカーポート、曲面にも馴染むのが大きな魅力で、住宅用途の選択肢として注目されています。

    ペロブスカイト太陽電池は、技術・制度・産業政策の三方面で「実用化・普及フェーズ」に入る過渡期にあり、建築物用途・都市部・軽量設置など従来技術で制約されてきた場所に非常に有望です。補助金制度も整いつつあり、条件が合えばコスト面での支援を受けながら導入を検討する好機だと言えます。技術はますます進化しています。これからお住まいの新築を検討されている方やリフォームをお考えの方、再生可能エネルギーの主力技術として普及することが期待される「ペロブスカイト太陽電池」は、まだまだ進化の途中ともいえますが、選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか?

    出典

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