こんにちは代表の一木です。6月に東京ビックサイトへいってきました。その中でも堀部先生の30~90のお話しを以前のブログでさせて頂きました。(中間領域の心にもたらす役割 | 丸共建設株式会社)このお話を聞いたあと、せっかく東京まで来たので建築を見て回りたいと思い検索すると、「江戸東京たてもの園」という過去の名建築が移築された、まさに30エリアから見ることができる場所があり。滞在時間より移動時間の方が長くなりそうでしたが、この機会を逃すとなかなか行けないと思い、片道1時間半電車に揺られながら移動しました。
場所は小金井市の公園の中に位置し、入口の建物は旧光華殿というもので、昔皇居前の広場で式典の為に建設された建物のようです。

あまり下調べもせず、ただ前川國男邸をめがけていきましたが、中は30棟程沢山の建物があり、ゆっくり見ようと思うと、数日はかかりそうなスケールでした。

場内マップを見ながら足早に進んでいくと、シンメトリーな建物が2本の樹木の間から顔を出してきました。こちらの建物は昭和17年に建築されたもので、戦時体制下建築資材が入手困難な時期に建築されたようです。


北側に回るとアプローチがあり、目線ほどの高さの塀が手前、奥と配置されており、奥行きを感じるつくりになっていました。「たてもの館」と言えど、ちゃんと庭まで再現、造り込まれているから、この建物の新たな場所で活きているんですね。だからこの郊外のだだっ広い公園にあるというのも納得。


基本素材は、木、石、鉄、銅等経年変化によりとても良い味を出していました。白い壁の中に建具、床の木の味わい深い色と、乳白色、和紙の照明がやわらかい空間を演出していました。南側は格子によってプライバシーを確保しながら光を取り入れられ、北側は塀の中の庭が美しく見え、気持ちの良い緑が窓から臨めるようになっていました。


その外には軒が深く、しっかりと外対してアクセスできる場所がありました。


玄関側から見えるこの四角い窓にはどのような意図があったか気になります。

こちらは江戸時代後期に建てられた茅葺き屋根の農家住宅です。時代の暮らしが反映されていて、台所は広い土間になっており、囲炉裏も配置されていました。当時の土間の広さは農作業をこの土間で行う等、土間が暮らしの中心にあるような生活をされており、外と内とを繋ぐ場所が土間となるわけですね。とても良い味が出ていました。



その後も足速に数件建物を見て回りましたが、もう一度訪れたい場所でした。
昔の建物にも縁側や、外との繋がる空間があるということは、いつの時代も暮らしの中に「外」の空間、景色というのは必要不可欠ということですね。時代、暮らし方、人種が変わったとしても人間の本能が無意識に「外」を求めているという事だと思います。そこには、空気感、解放感、自然の匂い、明るさを味わいながら、四季、雨、星空・・・と刻々と変わる「外」の景色を見て、安心感や、嬉しさ、感動等と色々な感情を得ているのではないでしょうか。
堀部先生の話に戻りますが、半戸外の不安定な30エリアは今までの住まい、そしてこれからの住まいにも必要なものだということです。今の時代SNSで流行の間取り等もよくみかけますが、やはり人間として必要なものは何か、家に何を求めているのか、子育てに必要な環境とはどうゆうものか。そして、建てた住まいは自分たちが住み終えた後、どのように使われていくのか。等と考えると、住まいに加える価値も変わってきますね。

L.WORKSでは90の高性能で温熱環境として快適な住まいの中にしっかり30の要素を入れて、飽きのこない、いつの時代になっても心地よい暮らしができる住まいを提案していきます。