こんにちは、暮らしのアドバイザーの安江です。
今日、私たちの本社がある下呂市では震度3、お隣の高山市では震度4の地震が発生しました。立て続けに余震もあり、改めて地震の怖さを感じる一日となりました。
今日の地震のように身をもって揺れを感じると、「住まいに対して、地震大丈夫かな?」と不安な気持ちになり、何か対策はできないかと考える方も多いのではないでしょうか。私自身もそんな気持ちになり、本ブログを書いています。
地震対策といえば耐震リフォームが思い浮かびますが、リフォーム費用が高額になってしまう場合も多く、実際には耐震化に踏み切れない方も多いと感じています。
そんな中、今回は費用面で耐震化を諦めていた方にも、一つの解決策となる可能性のある「耐震シェルター」についてご紹介します。

耐震シェルターってどんなもの?
「耐震シェルター」という言葉に、パッとイメージが湧く方は少ないかもしれません。耐震シェルターとは、簡単に言うと「頑丈な大きな箱」です。この箱を家の中の1部屋に設置します。例えば居間であるとか、寝室であるとか、ご自身がよく使う部屋に設置することが考えられます。
家全体を耐震化するのではなく、1部屋を耐震化するというイメージです。
もし地震で家が倒壊してしまった場合においても、1部屋に頑丈な大きな箱があることによって、その部屋にいる自分たちを守ってくれる。そういったものを耐震シェルターと言っています。

耐震シェルターのメリット・デメリット
耐震シェルターの主なメリットはこちらです。
- コストパフォーマンスが良い 家全体を耐震化する大規模なリフォームに比べて、費用を抑えることが可能です。
- 効率的な地震対策 家全体を守るわけではありませんが、普段の生活で使用頻度の高い部屋を選んで対策することで、効率の良い耐震化手法と言えます。
一方、デメリットとしてはこちらがあります。
- 家全体を耐震化できないので、その1部屋から離れた部屋にいる時は、対策ができていない
- シェルターを置く分、室内で使える空間が狭くなる
みなさんの日々の暮らしを考えてみた時にどうでしょうか?日常、家の中でよく使うお部屋は限られている方も多いのではないでしょうか。寝室やリビング、ダイニング、キッチンなどが利用する時間が長いかと思います。耐震シェルターは家全体を耐震化することはできませんが、使用率の高いお部屋のみを耐震化することで、コストパフォーマンスの良い耐震化手法であると言えるでしょう。
どんな家におすすめ?
耐震シェルターは、特に以下のような方や家に適していると考えられます。
- 家の中の特定の部屋の使用率が高い方
- 使っていない部屋がたくさんある家
- 大きな家
- 耐震化したいけれど、費用面で諦めていた方
- 1981年(昭和56年)以前に建てられた家(旧耐震基準で建てられた家)
- 基礎が石ができている家
- 壁が少なく窓やふすまが多い家
- 古民家の雰囲気を残しながら耐震対策がしたい方
- 家全体の大規模な耐震リフォームが難しい家 特に、伝統工法で造られている古民家など、耐震化が難しいと言われている構造の建物
実際の施工事例をご紹介
昨年度、下呂市で実際に耐震シェルターの設置工事を行わせていただきました。
お客様はテレビで耐震シェルターを知ったということで、私たちにご相談くださいました。私たちとしても、耐震シェルターの設置工事は初めてのご相談だったため、現在日本国内で開発されている耐震シェルターについて調べるところから始まりました。調べて見ると思っていた以上にたくさんの製品がありましたが、性能、コスト、意匠性、施工性、補助金取得の可否の項目で検討し、「木質耐震シェルター70K(耐震住宅100%実行委員会)」と「剛建(宮田鉄工)」の2つの製品をご提案しました。
「木質耐震シェルター70K」はセミオーダーメイドで作られるため、部屋のサイズピッタリに作ることができ空間を広く取ることができます。壁がなく屈強な柱と梁で構成されるため箱の中という感じの閉塞感もありません。また、温かみのある木の意匠が特徴です。
お客様は、古民家の風情をできるだけ損なわないようにしたいというご要望も持っておられました。「木質耐震シェルター70K」の特徴は、古民家の雰囲気にとても合い非常に気に入っていただけたため、「木質耐震シェルター70K」を採用することになりました。(今年、別のお客様のお家で「剛建」も施工予定のため、工事が終わりましたら剛建についてもブログでご紹介したいと思います。)
お客様のお宅は築100年を超える古民家で、そもそも耐震化が難しい造りでした。そういった古民家の特性を踏まえても、一部屋を耐震化するという耐震シェルターの考え方は、特に合っていた耐震化方法となりました。
また、古民家の良さのひとつでありますが床面積が広い建物でしたので、全てを耐震化するのは費用・工法的に難しいものがありました。そういった中で、一部屋を耐震化するという耐震シェルターの考え方は、コストパフォーマンスが良く実現的な解決策として採用していただきました。
下記が実際の施工写真です。











費用を抑える強い味方!補助金制度
耐震シェルターの設置には、補助金制度を活用できる場合があります。
昨年度の下呂市での施工事例では45万円の補助金を活用いたしました。
岐阜エリア抜粋
・下呂市では、最大45万円の補助金が活用できます
・高山市、中津川市、犬山市、多治見市においては、最大30万円の補助金が活用できます
愛知エリア抜粋
・名古屋市においては、最大45万円の補助金が活用できます。
・小牧市、尾張旭市、瀬戸市においては、最大30万円の補助金が活用できます
・春日井市においては、最大20万円の補助金が活用できます
※2025年5月現在の制度内容です。補助金を利用するためには各種条件があります。
多くの市町村で、そういった補助金の制度が設けられていますので、一度「市町村名 耐震シェルター 補助金」で調べていただくことをお勧めします。
まとめ
耐震シェルターは、家全体ではなく一部屋を強化するという発想の地震対策です。
費用面で耐震化を諦めていた方や、家の構造上全体のリフォームが難しい場合でも、安全な空間を確保するための現実的でコストパフォーマンスの良い選択肢となり得ます。
地震への不安を少しでも解消するために、耐震シェルターを検討してみてはいかがでしょうか。
暮らしのアドバイザー 安江