こんにちは、暮らしのアドバイザーの安江です。今日は、「耐震シェルター剛建」の施工事例をご紹介します。
「高齢の母が一人で暮らす実家。もし地震がきたら……」
岐阜県高山市にあるご実家で一人暮らしをされているお母さまのために、離れて暮らす息子さんが選んだのは、寝室に設置する「耐震シェルター 剛建」でした。
きっかけは、市の耐震診断。建物全体の補強には約500万円程度の費用がかかるとの結果になり、「現実的にはなかなか踏み切れない」と他の手立てもないか検討されたそうです。
そんなときに見つけたのが、限られた空間に“命を守る部屋”をつくるという発想の耐震シェルター。
耐震シェルターなら、普段よく過ごす部屋だけを安全な空間にできるので、建物全体の補強に比べて費用が抑えられ、工期も短く暮らしへの影響が小さいです。
実は、耐震シェルターと一口に言っても様々な種類が存在します。
その中で、耐震シェルター 剛建は、価格と住まい易さ、デザイン性のバランスがとても良い製品です。


▼より壁が少なく開放感のあるデザインを求める方は、こちらの記事で紹介している「耐震シェルター 70K」もおすすめです。
もう地震対策を諦めない!一部屋だけ強化する「耐震シェルター」とは?
Before & After
実際に設置したお部屋は、居間のすぐ隣にある寝室。就寝時はもちろんのこと、居間で揺れを感じた時にもできるだけ簡単に避難できるように配置しました。木の素材を活かしたやさしいデザインで、お母さまの暮らしに自然と溶け込んでくれるでしょう(^^)
北東方向


北西方向


南西方向


南東方向


今回の工事では、南西方向の壁に新たに入口を設けました。耐震シェルター自体は寝室に設置してありますが、その隣は居間になっています。そのため、いざという時に居間からすぐに寝室へ移動できるよう、追加で入口を設置しました。
こんな注意点があります!
<耐震シェルター入口の段差>
耐震シェルター剛建には、四方に入口が1箇所ずつ合計4か所ありますが、内一箇所が段差の小さいバリアフリー入口、他の3箇所が標準入口です。標準入口は、9センチ角の構造材が下部にあるため、9センチの段差が生じます。通常、バリアフリー入口が最もよく使う入口に来るように配置計画をします。


<既存の窓や収納、設備の使い勝手>
耐震シェルター剛建を設置することで、既存の窓や出入口、収納の使い勝手が悪くなったり、配置計画によっては使えなくなる場合もあります。今回の事例では、耐震シェルターの設置位置により、エアコンの効きが一部弱まる可能性が想定されました。エアコンの移設も選択肢の一つとして検討しましたが、お施主様と協議の結果、まずは現状のままご使用いただき、実際の生活環境における影響を確認していただくこととなりました。


このように、耐震シェルターの設置にあたっては安全性の確保だけでなく、居住性や日常生活への影響を十分に考慮しながら、最適な設置計画を立てることが重要です。
▼配置計画について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ
耐震シェルター「剛建」設置で後悔しないために。暮らしやすさを左右する配置計画のポイント
価格 と 工事日数
標準総工事費(税込) 98 万円
標準総工事日数 5 日
<標準総工事費に含まれる工事>
・シェルター本体代
・運送費
・組立費
・床補強工事費
・フローリング工事
・内装クロス工事
・照明配線工事
・補助金申請代行手数料
<標準総工事費に含まれない工事>
・塗装工事(なしでも実用上の問題はありません。お部屋の雰囲気に合わせて、ご採用いただけます。)
・エアコン移設工事(シェルターの設置方法によって、エアコンの移設が必要になる場合がございます。)
・そのほかに、現場の状況やご要望等によって、追加費用が発生する場合があります。
<本事例の耐震シェルター組立の様子>
耐震シェルターは、部屋の中で組み立てることが可能なため、既存の壁や入口を壊すことなく設置できます。
費用を抑える強い味方!補助金制度
耐震シェルターの設置には、補助金制度を活用できる場合があります。
本施工事例では、高山市の30万円の補助金を活用いたしました。
岐阜エリア抜粋
・下呂市では、最大45万円の補助金が活用できます
・高山市、中津川市、犬山市、多治見市においては、最大30万円の補助金が活用できます
愛知エリア抜粋
・名古屋市においては、最大45万円の補助金が活用できます。
・小牧市、尾張旭市、瀬戸市においては、最大30万円の補助金が活用できます
・春日井市においては、最大20万円の補助金が活用できます
※2025年5月現在の制度内容です。補助金を利用するためには各種条件があります。
多くの市町村で、そういった補助金の制度が設けられていますので、一度「市町村名 耐震シェルター 補助金」で調べていただくことをお勧めします。
まとめ
耐震シェルターは、家全体ではなく一部屋を強化するという発想の地震対策です。
費用面で耐震化を諦めていた方や、家の構造上全体のリフォームが難しい場合でも、安全な空間を確保するための現実的でコストパフォーマンスの良い選択肢となり得ます。
耐震シェルターの中でも、「耐震シェルター 剛建」は、価格と住まい易さ、デザイン性のバランスがとても良い製品です。
地震への不安を少しでも解消するために、耐震シェルターを検討してみてはいかがでしょうか。
暮らしのアドバイザー 安江
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